まつぼっくりが笑う

時事ネタ、話題の書籍の読後感を主観を交え真剣に綴ります

「反日種族主義」李榮薫編著 読後感8

最後に

  私自身は韓国のCJ(チェイル・ジェダン)という10大財閥に入る会社と数年間お付き合いをしました。又、囲碁を通じて定期的交流戦をしてきました。そのおかげでソウルに都合10回ぐらい行きました。韓国は儒教の国です。日本も儒教朱子学の影響は受けているのですが、料理と同じで日本流に変化しました。その点韓国の儒教文化は純なところが大きく残っています。

  そのことは、儒教が馬鹿にする商業や、軍隊の軽視につながり、日本が明治維新で躍進を遂げたにもかかわらず、朝鮮は国家体制や商業の発展で大きく後れ、それが近代化を阻む要因になっていました。

 

 確かに日本の朝鮮併合によって韓国の近代化が進み発展を遂げる要因になったことは事実でしょうが、国民感情としては絶対に認めたくない事実でしょう。それが韓国人の反日感情の心の奥底にある恨みの感情でしょうが、せっかく戦前を知らない人たちが人口の大部分を占めるようになって、良い関係が出来るようになったのにもかかわらず、日韓の関係が政治家の思惑で逆戻りというか、最悪の展開になっていることは残念です。

 学校教育を見直して正しい歴史を教えるということは非常に難しいことでしょうし、ここまでこじれた結果日本人の嫌韓感情も容易になくならないでしょう。それでも李栄薫氏やその仲間がこのような書を世に出し、韓国で10万人の人が読んだという事実は小さいながら未来に向けての光になるでしょう。

 

 私が韓国に行っていつも気分が良くなり感激することがあります。それは地下鉄に乗る時です。我々日本人が5人位で乗りますと、我々が日本人であり、年寄りだということは一目でわかります。乗車した途端に韓国の儒協で大切な敬老精神のせいか、若者、男も女も5、6人が一斉に立ち上がって席を譲るのです。席はバラバラですが、私はいつも「ありがとう」と言って座ります。

 それに引き換え日本ではどうでしょうか?勿論日本人の若者だって敬老精神を持った人間はいますが、殆ど席を譲られたことがありません。スマホをいじっていたり、疲れているのか眠ったふりをしています。韓国の若者は体力があるからなのかなあと思ってしまいます。個人的なお付き合いでは『おもてなし』精神も旺盛です。

 

 結局政治の問題で日韓関係が悪化してから、早稲田と高麗大学の定期交流もなくなり、私が韓国に行く機会もなくなりました。両国関係の改善は草の根運動ではないですが、普通の人たちの交流からやり直すしかないのでしょうね。