まつぼっくりが笑う

時事ネタ、話題の書籍の読後感を主観を交え真剣に綴ります

コロナウィルス騒動(続2)

  • ダイヤモンド・プリンセス号の問題点

 

これを書いているのは3月11日である。その後、色々な報道に接して、次のような結論に達した。

このクルーズ船の処置に対する批判は、検査体制が整わなかったため、乗員・乗客3700名余りを1カ月以上留め置き、第二の武漢といわれるような感染者の増大を招いたことである。当時岡田晴恵氏は乗客・乗員すべての人に対するPCR検査をすべきと主張していた。しかし、検査は行われず、感染が拡大してしまった。

 

厚労省の見解では検査が出来なかったから止むを得ないというものだった。もし、検査体制が整っていたら全数検査をしただろうか?それは永遠にわからないことである。わかっていることは検査体制が不備だったため検査が出来無かったとうことだ。とすれば、我が国のウィルスに対する検査体制がぜい弱で、それがために感染が拡大したことをきちんと明確に国民に知らせることだ。これをしなかったことが、私の批判対象である。

日本の医療体制は進んでいると思っていた私を含め国民の多くは、意外に日本の医療体制が遅れていることに気が付かされたのである。それが事実なのであるから、素直に認めればよいのではないか。日本の医療を束ねている厚労省が、いまさら見えを張る必要はないだろう。現実を認め、早急に検査体制を強化すればよい。自分の弱みを認めて初めて改善がなされる。そして、努力によって弱みが強みになるのだ。

この時点で疑問がある。それは民間の検査機関を有効活用すれば、多くの検査が当時であっても出来たのではないかということだ。テレビに出ているある専門家がそれを指摘していたが、そうならなかったので、私にはその真偽がわからない。ただ、韓国が日本の何倍もの検査をしていることを考えれば、日本で出来ないことに疑問が残る。3月9日の報道で、加藤厚労大臣は『現時点で各地の地方衛生研究所や民間を合わせて一日最大6200件、新たに民間検査機関の参入が期待できるため、今月末には一日最大約7000件になる見通し』と述べている。これは非常に不思議な発言だ。今月末まで20日間の時間があるにもかかわらず、たった800件しか増えないのか?

ウィルス対策が最優先される中で、検査体制の整備こそが最重要課題であるにもかかわらず、これでは人をおちょくっているような発言と感じる。もしこれが事実であり、実力ならば日本の医療体制はぜい弱で韓国以下と認めることになる。それを厚労大臣が堂々と、自信を持って広言するのだろうか?

さて、アメリカで起きたグランド・プリンセス号ではトランプ大統領は商業港から僻地の港へ移動させ、乗員・乗客全員の検査を実施し、速やかに下船させると決定。アメ

 

リカらしい率直さというか、日本の事例をすぐ学び,より良い方策を実行するのだから感心する。朝日新聞の川柳欄、『アメリカが反面教師にする日本』

アメリカは広大な土地があり、軍事施設もあるので隔離する場所も十分ある。だから、このような措置がすぐできる。これも実力のうちだ。

 

  • 検査体制

コロナウィルスを撲滅するためには入り口として検査体制を強化する以外に方法はない。企業の経営であれ、病気の治療であれ、検査(調査)をして実態を正確に把握しない限り解決への道、成果は出ない。現状分析、形勢判断はすべての基本である。

他国の検査体制を見てみよう。韓国では来月には一日当たり1万3千件という。サーズやマーズの経験があるので進んでいるとは言うものの、あまりにも日本との落差が大きい。実際の検査数が飛びぬけている。厚労省が『予防する観点からはすべての人にPCR検査をすることは新型コロナ対策としては有効ではない』と言っているのとは大違いである。また『設備や人員制約のためすべての人にPCR検査はできない』とも。

アメリカは『我々は100万個以上の検査キットを配布しており、今後、数週間ですべてのアメリカ人が検査を受けることが出来るようにする』

イギリスでは『少数の病院と約100カ所の初期診療所で深刻な呼吸器感染症に苦しむすべての患者に検査をする。検査をすることで、ウィルスがどの程度広がっているかを知る早期の警告サインになる』

日本ではやっと保険適用で検査ができるようになり、かかりつけの医師や一般の病院から、帰国者・外来に連絡をすれば、そこの判断によって検査ができる仕組みが出来た。これによって今までの様なたらいまわしが無くなると思われるが、ここが問題だ。とにかく日本の官僚機構のややこしさは並大抵のものではない。検査の基準である、37,5度C以上の高熱が4日間続くという縛りがあるからだ。専門家会議副座長の尾身茂氏は最近になってこの縛りはおかしいと発言。日本特有の問題だが、大勢の意見で何となく決まった場合、それに反論できずに、おかしいと思ってもずるずる決まってしまい、それが国民に強制されることだ。専門家が一般の人を素人と決めつけて、自分たちの見識が高いから従えという独善ぶりが目につく。

誰が考えてもおかしいものはおかしいのであって、検査をさせないためのこじつけにしか見えない。諸外国の検査に対する事例を紹介したが、こんなへんてこな縛りはどこの国にもない。恥ずかしい。

日本では聖徳太子が『和をもって尊しとなす』と言ってからこれを尊重するあまり、人と表面的に争わない風潮が強い。孔子は和について有名な言葉を発している。『小人は同じて和せず、大人は和して同ぜず』矢張り、孔子は人の心の機微に通じている。人間の弱さを熟知している。少なくとも、国民の生命・財産を守る政治家や官僚は勇気を

 

もって、真の意味の『和』を実践してもらいたい。

和歌山県知事、名前は知らないが、偉い。有田病院で感染者が出た時,国の言うことを

無視して、軽症者もどんどん検査をした。県内のPCR検査能力は少なかったので大阪に応援を求めて検査をしてウィルスを撃退。2月17日をピークに和歌山県のコロナウィルスは収まった。当然、有田病院も診療再開した。

結局、危機に陥ると人の器が明らかになる。北海道の鈴木知事も国に先駆け、非常事態宣言をしたが、こういう人たちがいる日本も捨てたものではないと感じ入る。

イタリアでは感染者数が1万人を越え非常事態になっているが、イタリアの医療がぜい弱で医師、看護師共に5万人以上不足しているという。特に感染者が多い南部の地区はローマに比べると医療機関が圧倒的に少ないようだ。そのために死者も多い。ところが、検査は十分すぎるほどしている。コロナウィルスに感染したということはわかっても治療ができない状況の様だ。そこで、検査をしなかった方が良かったという意見が出て来た。このような、本末転倒の意見は危険である。検査は治療のためにあるのだから、どんな状況でも検査をすべきだが、治療ができないのでは、まさに医療崩壊状態だ。それでも検査の手を緩めてはいけない。

検査でこれから問題になるのはマスクや防護服、ゴーグル、アルコール消毒液等不足である。いくら検査が保険適応してやりやすくなっても、検査をする医者にM95マスクがなければ検査が出来ないのだ。勿論アルコール消毒液やゴーグルもそうだが、とりわけマスク不足は深刻だ。政府も遅まきながらマスクの買い占めや転売に対し法律で罰則を科すことを決めたがこれは正しい。台湾では日本が決める2か月も前から実施しており台湾国内のマスクは潤沢にあるようだ。こういう点でも日本は甘いから。静岡県の県議某の様な以前に購入したマスクをこのチャンスとばかり高値で売り飛ばし、なんと900万円弱の荒稼ぎをする輩が出て来た。法律に触れていないから自分は悪くないと言い張っている。困ったものだ。

いま、日本ではマスクを大増産しているが、このような危急存亡の時こそ国が買い上げ、医療機関介護施設に優先的に配布すべきだ。もっとも、これについても、ここ数日でそのような施策を打ち出したが危機意識が薄いせいかすべて遅いのが玉?に傷だ。

 

  • オリンピック

関係者はやきもきしているだろうが、私を含めた日本国民殆どが危惧している。ここで私が論評しても意味がないのでこの項目については多くを述べないが、ただひたすらコロナウィルス問題が収束して、無事にオリンピックが開かれることを願っている。この4年間必死に努力してきた選手やコーチ、スポーツ団体の心情を思うと中止はあまりにも辛いものがある。それ以上に、日本経済に与える悪影響は計り知れない。だから何とかに実施してほしいと思うが、こればっかりはコロナウィルスの動向次第であるし、

 

日本独自で決められることではない。

ただ、少し光が見えてきたのは、中国におけるコロナウィルスの動きが収束に向かっ

ていることだ。世界各国で今なお拡大がみられるが、開催国の日本で終息の兆しがあれば、それが4月中であれば、期待が持てる。それも世界各国の感染者が減り収束に向かうという条件が整わなければ駄目だ。

 

  • マスコミ、テレビの在り方

 

コロナウィルスの様な大きな事件が起きるとマスコミは取り上げるが、テレビの方がインパクトが強い。そして、影響力がある。私も羽鳥のモーニングショウやひるおび、報道ステイションを見ている。それぞれ時の人であるコメンテイターを呼んでいるが、それぞれ個性があって面白い。中にはエッという人や発言があって、これもまた面白い。なんでも今の政権に反発する人や逆に迎合する人もいる。

今回、モーニングショウの玉川徹氏に注目していた。それは私の従弟の息子と同輩だったからだ。もっとも親戚の知り合いだからと言って、何を言っても支持するわけではなく、是々非々で見ているのだが、今回のコロナに関する発言はなかなか良いところを突いているなあと感心していた。ゲストの岡田氏、大谷医師も気に入っていた。望めば、もっと厳しくと思わないでもないが、まあ満足する番組だった。

3月7日パソコンを開くと内閣官房がこの番組に対してツイッターで反論していた。政府と言えども圧力ではなく、正当な反論をして議論を戦わすことは良いことだと考える。ただ、その場合は政府の代表選手が個人名で議論を戦わす必要が出てくる。そのようなことをするのであれば、まさに民主主義の言論の自由が証明されることになってうれしいことだ。テレビ朝日がもし間違った意見を述べたのであれば、誤れば済むことだし、政府側についても同じことが言える。

そのようなことがあった最初のモーニングショウが3月9日だった。テレビ朝日は番組の中で何らの意思表示もせず、政府のツイッターを無視した。いやな言い方をすれば、大人の対応ということになるのだろう。人の喧嘩は大きいほど面白いと期待した私の思惑は残念ながら外れた。ただし、モーニングショウでは政府のツイッターに忖度したり。屈服した様子が見られなかったのでほっとした。

朝日新聞の川柳欄に『番組が痛いところを衝いたから』と投稿されていた。政権を持った権力による圧力は最も、悪いことである。堂々と意見を述べることは良いことだ。

人気番組であってもまちがいはあるだろうし、政府でも間違うことはある。お互いに議論をして直せば良い。ここでも、孔子は言う。『過ちて改めざる、即ち、これを過ちという』

 

 

 

とうとうWHOがこれは《バンデミック》だと認めた。この項目から3月12日に書いている。朝のニュースで知った。数日前、WHOのテドロス事務局長は『パンデミックが現実になる恐れが高まって来た。しかし歴史上はじめてコントロールできるバンデミックになる』と発言。これにはさすがに私も驚いた。昔、誰かがコントロールできていると発言したことがあったが、今回のコントロールとは何をもってコントロールが出来るのか、全く意味不明である。無理矢理邪推すれば、中国のコロナ感染が収束に向かいつつあることを意識して、中国に対するオベッカなのかなあ。

私がこの文章を書き出したのは、このような事件が起きた時、当事者たちがどんな行動を取るのか、非常に興味があったからなのだ。案の定、国の内外で自分に都合の良い発言をする人たちが続出している。勿論、まともな発言をして、よりよい行動をしている人たちも多い。だから、このような発言が目立つのだ。

 

  • オリンピック

 

オリンピック組織委員会理事の高橋治之氏が、私見であるが「新型コロナウィルス感染拡大の影響で今夏の五輪開催が断念される場合は1年か2年延期が現実的な選択肢だ」という見解を、ウォ-ルストリート・ジャーナルのインタビューで答えた。

まあ、オリンピック開催の可否については微妙な時期なので、軽率という見方もあるだろうが、全世界の人が関心を以っているので、一つの考え方を示したもので、私は率直な意見だなあと思っている。ところが森組織委員会会長が「軽率なことは慎んでほしい」とクレームをつけて電話で話したという。会長と理事の関係は上司と部下という立場があるので、森氏が注意したことは非難できない。しかし、高橋氏が「口が滑り、皆さんにご迷惑をおかけした」と謝罪したことが私は気に入らない。謝るぐらいならなら、なぜこんな見解を述べたのか?信念があって言ったのだろうから、注意されたからと言って、たちどころに謝罪することはおかしい。謝ったということは軽率さを認めたわけだから、責任を取って理事を辞めるしかないだろうね。

 

  • 検査体制

 

PCR検査が①精度が低い.②医療方法がない。③治療薬がない。という理由で必要がないという意見があるようだ。モーニングショーで玉川氏は田村憲久コロナ対策本部長に「そういう意見があっても検査は必要だ。精度が悪く、仮に7割位だとしても、じゅうぶん大きな意味がある」とピシャリと言った。

和歌山県知事の名前が仁坂吉伸氏であることが分かったが、和歌山県独自の基準を設定し(国の基準無視)検査を徹底した結果、和歌山県は封じ込めに成功した。番組でも高い評価をしていたが、改めて私も素晴らしいと思う。

[続2完了]